投稿日:2022年11月9日 | 最終更新日:2024年7月8日
鍼灸で使う内容のうち、今回は割と基本的なお話となっていきます。
突然ですが、経絡(けいらく)と経穴(けいけつ)と聞いて
意味が分かる人はどれくらいいるでしょうか?
少しでも精通している人ならそんなものとなりますが、
そうでない一般の方の皆様はほぼ間違いなくなにそれ?となるはずです。
そんなわけで経穴と経絡という言葉について
なるべく簡単に砕いて説明しつつ、理解が深まってもらえたらと思います。
経絡と経穴って?
では早速経絡と経穴について解説していこうと思います。
因みに経絡と経穴を用いて行っていくものこそ
経絡治療と呼ばれる施術の仕方になったりしますよ!
経絡
経絡というのは後述する経穴(ツボ)同士を結んで線にしたものとなります。
つまり電車で言う所の路線に該当するわけですね!
(東京でいえば山手線・日比谷線、名古屋の地下鉄で言うと東山線・名城線など)
そんな経絡ですが、主に14本存在するんですよ!
上記画像に書いてあるのが正にそれになります。漢字だらけ且つ専門用語だらけでアレですが
一応名称だけ順番に列挙していきますと、以下のようになります
手の太陰肺経(たいいんはいけい)→手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)→
足の太陰胃経(たいいんいけい)→足の太陰脾経(たいいんひけい)→
手の少陰心経(しょういんしんけい)→手の太陽小腸経(たいようしょうちょうけい)→
足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい)→足の少陰腎経(しょういんじんけい)→
手の厥陰心包経(けついんしんぽうけい)→
手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい)→
足の少陽胆経(しょうようたんけい)→足の厥陰肝経(けついんかんけい)
※最後の厥陰肝経の後は最初の手の太陰肺経に戻ります
上記のものに加えて身体の正中線(身体の中央の当たる線)に沿って背中側と
お腹側にも任脈(にんみゃく)と督脈(とくみゃく)とよばれるものもあります。
色々記載していきましたが、押さえておきたい内容はと言いますと
つまり、経絡は任脈と督脈以外は巡りに巡っているという事でしょうか。
経穴
経穴というのは一言でいってしまえば
一般的な皆様がいつも言っている「ツボ」と呼んでいるソレになります。
上記の経絡のところでお話した駅で例えるなら、駅名に該当するわけですね!
次に経穴は一体いくつあるかという話に恐らくなるはずですのでそれについても。
経穴には正穴と奇穴があり、正穴は14本の経絡(任脈、督脈と12正経)に属し、
引用:Wikipedia
滑寿の『十四経発揮』によると354穴が全身に存在する。WHOでは1989年、
奇穴のうち7穴を14正経に所属させて361穴とした。奇穴も250穴以上ある。
経穴がいくつあるかといいますと、
上記の引用文のように基準が年々変化していってはいますが
WHO基準でお話していきますと経絡上のものが361、
それ以外の奇穴と呼ばれるものも250以上と言っているので
つまり総数600以上となるわけです。
ではこの膨大な数の経穴を全て使うのかとなるはずですが
実際のところは全て使うことはないうえに、全て把握してる人は恐らくいないでしょう
(もし全て把握している方がいるなら逆に教えてほしいレベルです)
というのは、経絡治療と呼ばれるもので一番大事になってくるのは
主に経絡上にある12本の中の各5つずつになり、
そこから+αといった感じなので実際は100前後位になるのでしょうか?
ただし使わない場所が決して意味のない所かではないのでそこはご了承ください。
刺激方法によっては禁忌な経穴もある
経穴が沢山あるという事は上記の通りですが、
場所によって刺激をしたらいけない手段があることもあります。
いくつかありますが、非常にわかりやすい例として2つ挙げていきますと
まず1つ目は乳中(にゅうちゅう)と呼ばれる場所。
そうです、乳首そのものになりますので、鍼なんて打てないのは明らかですね!
もう一つは神闕(しんけつ)。こちらは要するにおへその上になりますので
乳中と同じく鍼に関しては想像に容易いでしょう。
どちらも鍼は禁忌とされていますが、神闕に関してはお灸ならアリなんですよ!
おへその方である神闕にお灸をするのは結構気持ち良かったりします。
経絡と経穴は路線と駅みたいなものと覚えておきましょう
今回は経絡と経穴というものが何であるかを軽くですがお話してみました。
ただ、漢字だらけだったり専門用語が沢山あって
一部わかりにくいところもあったかもしれません。
したがって、最低限覚えてもらいたいのは「経絡が電車の路線で14本あり、
経穴はツボと呼ばれてるものであり、電車の駅名に該当し
その数は世界基準が361でそれ以外も含めると600位である」
という事だけでも頭の片隅においてほしい所であります。