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五臓は東洋医学と西洋医学で意味が変わってくる?

    投稿日:2022年10月15日 | 最終更新日:2024年6月17日

    我々人の身体に欠けたら絶対いけないであろう5つの臓器というもの、
    つまり五臓(ごぞう)がありますね!

    五臓とは肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓の事を指します
    実は一般的な内容(西洋医学)と東洋医学では少しとらえ方が違う所があります。

    そんなわけで今回は主に鍼灸でかかわる東洋医学と
    西洋医学での五臓の意味の違いを簡単にですがお話していけたらと思います。

    一般的な西洋医学的な五臓の意味

    まず確認の意味も込めて一般的な五臓の働きをおさらいしていこうと思います。

    一般的には一つを除いて臓器の名前も含めて言っているので、
    それぞれ肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓といった方がなじみがありますね!

    それでは簡単にですが、五臓について簡単にお話していこうと思います。

    ※以下の内容は簡単にお話していますので
    実際はこれ以上の細かい働きもあることをご了承ください。

    肝臓

    肝臓は肋骨によって守られている臓器で、主な役割は3つあります。

    まず一つ目は栄養分を貯めることやたんぱく質を合成すること
    次に2つ目は身体の中の有害なものを解毒や分解する働きです。
    分かりやすいところで言うと、お酒によるアルコール成分を分解してくれるなどですね!

    最後に3つ目は取り入れた食べ物を消化するための成分のうちの一つである
    胆汁(たんじゅう)というものを作ったり出したりする働きがあります。

    あと余談ではありますが五臓の中で唯一再生能力が備わっていたりします
    かといって酷使しすぎると再生能力がダメになることもあります。
    (いわゆる肝硬変という病気ですね!)

    心臓

    もはや説明する必要がないくらいの場所ですね。

    心臓とは一番大事な場所で、ここが止まった時はすなわち死を意味する臓器ですね。
    (車でいう所のエンジンのポジションですね!)

    主な役割は血液を作り、全身に送ったり
    全身から戻ってきた血液を迎え入れて処理する
    ことをしています。

    一定のリズムで脈を打っているのも心臓があってこそだったりします。

    脾臓

    脾臓というのは馴染みが薄い方かもしれませんが、とても大事です。

    主な働きは子供の頃(乳幼児期)の血液の成分を生み出します。

    因みに血液の成分というのは
    赤血球、白血球、血小板の事を指します。

    他には古くなってしまった血液成分を処分したり血液を蓄えたりもしますし
    大人になっても万が一大量出血をした際には血液成分を作ることもあったりします。

    場所的には脇腹辺りにあります。

    こちらも心臓同様に説明不要レベルかとは思いますが一応。

    肺は体内に酸素を取り入れる場所であり、
    体内で出来た二酸化炭素を出す場所でもあります。

    主に鼻と口から取り入れるわけですが、そこから血液に乗って酸素は運ばれていきます

    尚、肺の構造は果物のブドウのような形で房(ふさ)のようになっていますよ。

    腎臓

    腎臓は腰のやや上の辺りの背中側に存在するソラマメのような形をしたものです。

    主な役割は単刀直入にいえばおしっこ、つまり尿を作る場所になります。

    もう少しだけ掘り下げますと、
    尿を作るのは血液中のいらないものを出すためだったりしますが
    それだけでは悪質なものもあるでしょうから、きれいな状態にする働きもあります。

    因みに全部水分を尿にするわけではなく、
    一部は再び身体の中に再利用することもあったりするんですよ!

    東洋医学での五臓の意味

    東洋医学の五臓と呼んでいる内容は主に経絡治療で使われたりしますが
    上記で説明した内容のそれとはかなり違ってきているものがあります。

    しかしこちらは西洋医学よりも更に非日常的な内容となっていますので
    なるべく簡潔にお話しするように記載していこうかなと思います。

    東洋医学的な肝の意味は西洋医学的なそれとは打って変わって
    身体の血液を出し入れ可能な倉庫的な役割という事になっています。

    それ以外にも体内のエネルギーの流れをスムーズにしてみたり
    消化の働きを手伝ったりしたりというものもありますので

    解毒したり分解するのが主である西洋医学とは本当に違いますね!

    まず、心と呼ばれるものの役割は血液を全身に送る所は西洋医学と同じですが
    それ以外は精神的要素の司令塔的な役割があったりします。

    しかし、直接ダメージを受けてしまってはよろしくない為、
    実際はこの心の周りに心包(しんぽう)という鎧的なものがあるとされていて
    主にこの心包が心の代わりに働いてくれている形とされています。


    尚、流派によってはこのあたりの捉え方が違ってきたりもありますので
    そこの辺りはご了承ください。

    東洋医学での脾は主に食べ物から取り込んだエネルギー源を
    エネルギーとして変化させる働きを持つとされています。


    食べ物を取り込んだ後の消化などは西洋医学と同じく胃腸がしますが
    脾は胃腸のそれらも指揮する役割もあるとされています。

    脾の働きはエネルギー源を作るだけでなく、
    不要になったものを排泄物として外に出すこともしていますし

    更に血液が外に不要に出ないようにしたり
    エネルギーを上にあげる力もあるとされている
    わけですが、
    この上にあげる力は後述する腎から発生するエネルギーの時に使うとされています。

    肺は西洋医学のそれとは意味合いが違ってきます。

    東洋医学的な肺の内容を一言で言ってしまうと
    「全身にエネルギーを贈るスプリンクラー」といったところでしょうか。

    東洋医学で主にエネルギーが作られるのは脾と腎となりますが、
    それぞれで作られたエネルギーを最終的に肺の力で全身に送ることとなります。

    それ以外にも血を綺麗なものと交換しつつ、
    それを下に下げていく働きもあると言われています。

    東洋医学的な腎は一言でいうと「生命そのもの」となります。

    どういうことかと言いますと、まずこの世に生を受けた時点で
    両親からエネルギー源(先天の精と言います)をもらうとされていますが
    このエネルギー源こそ東洋医学の腎に当たるものと言われています。


    尚、このエネルギー源は呼吸により送られてきた酸素により
    エネルギーとしての働きを始め、そのエネルギーは上記までにお話した
    脾や肺の力によって最終的に全身にいきわたることとなります。

    東洋と西洋の医学は考え方が違うというのが理解できたのなら幸いです。

    今回は実際に鍼灸などの仕事に携わらないと
    もはや皆無な内容となりましたがいかがでしたでしょうか?

    わかりにくいところがあったかもしれませんので
    下記にエネルギーの流れをまとめておきますね!(左が呼吸からルート、右が食物ルート)

    1. まず、呼吸により酸素が腎に入る
    2. 次に腎の中のエネルギー源と酸素が交わりエネルギーが出来る
    3. そしてエネルギーは脾の力で肺に送られる
    4. 最後に肺が全身にエネルギーをばらまく
    1. まずは食べ物を取り込む
    2. 次に胃腸で分解したものを脾がエネルギーと排泄物に分ける
    3. そしてエネルギーにしたものを脾から肺に送る
    4. 最後に肺が全身にエネルギーをばらまく

    内容的にマニアックなので一般の方は特に知らなくても問題はないですが
    認識として「そういうものがあるのか!」位でも感じてもらえたら何よりです。

    今回は五臓を取り上げましたが、他の場所も所々違う解釈があったりしますので
    また別のタイミングで紹介していこうかなと思います。

    例えばその一つに六腑(ろっぷ)がありますが、
    六腑というのは胆・小腸・胃・大腸・膀胱の事です。

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